本記事はDEN Dose開発者の所感になります。
2019年3月11日に医療法施行規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第21号)が公布され、診療用放射線の安全管理体制整備について2020年4月1日に施行されました。
各施設、「線量管理」「線量記録」への対応を画策していることと思います。
(他にも職員の研修や有害事象報告の体制などもありますが)
さて、DEN Doseを「線量管理」「線量記録」の方策にどのように使用していけばいいのでしょうか?
個人が開発したフリーソフトを使用することは、正当化されるのでしょうか?
今回の改正医療法施行規則に関して、各団体から様々な通知、ガイドラインが発出されています。
No. 388 患者が受けた線量の記録と管理|医療放射線の安全管理の考え方を解説するサイト
非常によくまとめられています。
さて、これらの大元の根拠は厚労省・医政局通知であり、具体的な指針は
・診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドラインについて(医政地発1003第5号)
の別添
「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」
であると考えております。
(3)線量記録 ア 線量記録の様式 線量記録は、関係学会等の策定したガイドライン等を参考に、「(1)線量管理及び線量記録の対象となる放射線診療機器等」において定めた放射線診療機器等ごとに、当該放射線診療を受けた者を特定し被ばく線量を適正に検証できる様式を用いて記録を行うこと。また当該様式に記録している場合は、次に掲げるもののほか、既存の記録を線量記録とすることができる。 ー「診療用放射線の安全利用のための指針策定に関するガイドライン」よりー
ポイントは
『当該放射線診療を受けた者を特定し被ばく線量を適正に検証できる様式』
であれば
『次に掲げるものの”ほか”、”既存の記録”を線量記録とすることができる。』
すなわち、被検者の当該検査を特定できれば、様式は各施設の判断に委ねられていると考えます。
DEN Doseで生成するデータベースは患者氏名、ID、検査日等のユニークな情報も一覧に含まれますので、”当該様式”は満たすものと考えます。
しかし、製作者はDEN Doseのデータベース自体を線量記録の原本に据えることは推奨いたしません。
保存義務がある記録を、容易に削除できるファイル(windows上のExcelファイル)1つにしてしまうことは、リスクの観点からも合理的ではありません。ファイル破損の可能性も考えられます。
あくまでも製作者は、線量記録の原本は、日本医学放射線学会が発出した
「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」の記載にあるように、
- 線量管理システムに線量情報を保存する。(RDSR自体が原本)
- 撮影装置で生成された線量記録画像を画像サーバに保存する。(SCが原本)
- 撮影装置に表示された線量指標を放射線情報システムRISに入力する。
- 撮影装置で生成された線量記録画像をX線フィルムに記録する。
- 撮影装置に表示された線量指標を照射録に記載する。
であるべきと考えます。
それでは、DEN Doseの位置づけはどのようになるのでしょうか?
製作者は、DEN Doseは「線量”管理”の質の向上を助ける補助的なツール」と考えています。
日本医学放射線学会が発出した「診療用放射線に係る安全管理体制に関するガイドライン」等の補足資料 – 2.1.線量管理実施記録CT例を参照すると、線量調査のための、CTDIないしDLPのデータサンプリング数は「標準体形で30検査」と例に挙げられています。
(必ずしもこれを守らなければならないわけではありません。)
2020年4月に、twitter上で以下のようなアンケートが行われました。


2つの質問への回答者数が異なるので、詳細な検討は不可能ですが、1点だけ言えることがあります。
「CT装置はRDSR出力に対応しているのに、線量管理システムが導入できないので、Dose Summary画像の保管を中心に線量管理を行う」施設が一定数ある、ということです。
このような場合、プロトコルごとの線量指標の統計を行う場合には
- あらかじめ検査時に(RISその他のシステムに)線量指標を転記する
- 見直しを行う時期になったら過去の検査を振り返り、線量指標を転記する
上記いずれかの作業が必要になります。
市販の線量管理システムの導入は、容易ではありません。
決して安いものではないにも関わらず、線量管理による診療報酬加算を取得できる施設はごくわずかであるからです。
放射線管理は本来、我々診療放射線技師の最も重要な業務の1つであることは言うまでもありませんが、
医療現場の業務負担、働き方改革が叫ばれる昨今、放射線技師の善意、自己犠牲にのみ頼る線量管理体制は避けられなければなりません。
DEN Doseが全国の放射線技師諸氏をサポートし、目の前の患者を相手にした放射線診療業務に注力するための一助となることを切に願います。
開発者所感
